アニサキスと正露丸

2022年8月15日

今回は、社内で話が出ていた「アニサキスには正露丸が聞く」から、アニサキスについて調べました。

まず、アニサキスとは何か、なのですが、糸のような形状の「線虫」という寄生虫です。

アニサキスの一生はどのようなものかというと、海を漂うアニサキスの卵を甲殻類（オキアミ等）が食べ、そのオキアミなどを中間宿主であるサバ、イカ、イワシ等が食べ、それらを海生哺乳類であるイルカやクジラがたべ、そのお腹の中で成虫となり海中に卵を放出、というサイクルです。海生哺乳類のお腹の中で成虫になると、手のひらよりも大きくなります。

もちろん、アニサキスを食べた生物が全て感染するわけではありませんが、オキアミを食べる魚は全て中間宿主の可能性があります。

本来寄生虫は、宿主が元気でないと生きられないので、寄生先の生物の悪さをすることはありません。中間宿主に寄生しているときに、寄生先の生物が死ぬと、内臓から筋肉に移動していくそうです。

ですから、まず、アニサキスにたいして消費者が気を付けることとしては、とにかく鮮度のよい魚介類を選ぶことと、速やかに内臓を取り除きその内臓を食べないことだそうです。

また、アニサキスは鯨の胃などに住みますので、酸に強いため、酢では死滅しません。

‐20度で24時間以上冷凍するか、70度以上で加熱することを推奨されています。

なお、「口でよく噛む」ということも対策にはならないそうです。なぜかといえば、「どれだけの力で何分噛み続ければアニサキスを噛み潰すことができるのか、そのようなデータは存在していない」ためとのこと。

アニサキスの食中毒の治療としては胃カメラで取り除くという方法がありますが、社長の話に合ったように、飲み薬として「正露丸が効く」という研究結果があるそうです。

2021年9月10日のみなと新聞の記事によると、高知大の研究グループによると、正露丸を溶かした液にアニサキスを30分間浸すと、ほぼ全てのアニサキスが運動を停止、24時間後には死んだことを確認したという結果が出たそうです。

もともと船乗りさんたちの間では、「正露丸」がアニサキス症による腹痛などの症状緩和に有効という民間療法は古くからあったそうで、正露丸を製造販売する大幸薬品は、2014年に「消化器アニサキス症用薬剤」の特許（第5614801号、2014年9月19日登録）を取っていますが、薬機法上、登録時の効能に入っておらずアニサキス症への効果は言及できないそうです。

なお、アニサキスによる腹痛はアニサキスが噛み付いたことによる痛みと言われていますが、他にアレルギー反応の一環で疼痛を誘発場合もあるそうで、実際「アニサキスアレルギー」もあるそうです。

青魚のアレルギーだと思っていた人が、実はアニサキスアレルギーだった、という場合もあるのかも。

おいしいお魚さん、正しい知識を知って、おいしくいただけるようにしたいです。

参考URL
https://miura-medical.clinic/blog/archives/299/
https://osakana.suisankai.or.jp/health_safe/4964
https://bousai.nishinippon.co.jp/7800/
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/e-minato/articles/115918
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/e-minato/articles/81892
https://www.yoshoku.or.jp/news/20210927_suikei01/
https://www.peertechzpublications.com/articles/OJPP-6-117.php
https://news.yahoo.co.jp/byline/yakushijihiromasa/20210911-00257725
http://idsc.nih.go.jp/iasr/25/291/dj2914.html
https://osakana.suisankai.or.jp/health_safe/4967